ロンドン金融街シティ、インド政府とフィンテック支援憲章に合意 -巨大市場にイギリスのフィンテック企業参入容易に

FinTechlondonnewsukindiacity.jpg

2018年4月13日、イギリスのシティ・オブ・ロンドン自治体(City of London Corporation)がインド高等弁務官事務所(High Commission of India)と、フィンテック分野における相互協力を目的とした検証に合意しました。2017年9月に開始された「Access India Programme(アクセス・インド・プログラム)」という、イギリスの中小企業によるインドへの進出や投資を促進させる両政府間の相互協力の枠組みの中で、シティ・オブ・ロンドン自治体とインド高等弁務官事務所は特にフィンテック分野では積極的に協力してきましたが、今回公式に合意し、今までの協力活動をより活発化させることを目指しています。

この合意により、ロンドンのフィンテック企業は、巨大な市場規模と高度成長を続けるインド市場への参入がしやすくなることが期待されています。


=============================================================
シティ・オブ・ロンドン自治体 Catherine McGuinness(Policy Chairman)
イギリスのイノベーティブなフィンテック企業の参入により、インドでデジタル革命が起こるだろう。
=============================================================




【目次】
✓背景
✓主な合意内容
✓イギリス当局による国家間のフィンテック進出支援枠組み
✓まとめ



<背景>
✓2016年、インドは世界7位の経済規模を持つ国(世銀データ)で、2年後にはイギリスやフランスを追い抜くほどの早いペースで成長しています。しかし、インドの事業環境はあまり好ましくなく、同国のビジネス環境ランキングは世界100位と、かなり低位となっているのが現状です。


✓イギリスでは、2016年6月に実施されたブレグジット(Brexit:イギリスのEU離脱)国民投票以降、同国とEUで結ばれる将来協定の不確実性からビジネス環境が好ましくなくなるとの懸念が指摘されています。フィンテック業界に関しては、(可能性の話ではありますが)優秀なIT人材が大陸側からイギリスに入ってこなくなり技術力が低下すること、イギリスへの人口流入が減少し市場規模の拡大ペースが鈍化することなどが叫ばれています。


✓これら背景をふまえ、イギリスのフィンテック企業がインド市場に参入することで、フィンテック企業がイギリスに本拠地を置きながらインドの巨大市場にアクセスできることになり、市場規模の観点からもEUに拠点を移動させる必要がなくなります。つまり、人材がEUに流出しにくくなると言われています。



=============================================================
シティ・オブ・ロンドン自治体 Catherine McGuinness(Policy Chairman)
1600社ものフィンテック企業が本社を置くイギリスは、「世界のフィンテックリーダー」である。…インドとのパートナーシップ提携により、イギリスのフィンテック企業は極めて大きな市場へのアクセスを得ることができる。…インドでは未だ国民の5分の1しか銀行口座をもっていないのが現状。イギリスのイノベーティブなフィンテック企業の参入により、インドでデジタル革命が起こるだろう。
=============================================================



<憲章の主な合意内容>
✓シティ・オブ・ロンドン自治体にあるGlobal Exports and Investment Team(国外への輸出・投資チーム)内にあるインドに特化した支援を行う組織が、今まで培ったインドでのネットワークを活用して同国市場への参入を目指すフィンテック企業に実用的なサポートを提供すること。


✓法令・規制上の情報交換を実施すること。合意後の初期段階では、(知見やノウハウを多く持つ)シティ・オブ・ロンドン自治体がインド高等弁務官事務所にフィンテックに関する情報を提供する。将来的には、両社が相互に情報交換を実施する。



<イギリス当局による国家間のフィンテック進出支援枠組み>
✓イギリス・ロンドンのフィンテックエコシステムは、ヨーロッパの諸外国に比べても成熟しており、世界でもトップクラスとされています。その理由は様々なのですが、特に高く評価されているところは「政府・当局によるフィンテック支援策が充実していること」です。今回のシティ・オブ・ロンドン自治体によるインド高等弁務官事務所との合意についてもその一つで、これにより益々ロンドンのフィンテックエコシステムが発展することになるでしょう。ここでいうエコシステムとは、生物学的な「生態系」ではなく、社会において政府や金融機関、投資家などが密接に連携し合い相互作用しあう仕組みのことを言います。



関連記事「ロンドンは世界最高のフィンテックエコシステム?シリコンバレーとの違いとは」はこちら↓
http://fintechnewslondonfintechjagi.sokuho.org/article/fintechkenshirou180818.html



✓イギリス政府・金融当局(FCA: Financial Conduct Authority)は、グローバルな性質をもつフィンテックサービスが多いことを理解しており、自国のフィンテック企業が世界の他の市場に進出しやすくする枠組みを構築しています。「FinTech Bridge(フィンテック・ブリッジ)」と呼ばれる国家間での枠組みでは、フィンテック企業が提携国に進出する際に両方の金融当局が規制関連を中心としたサポートを行います。イギリスの金融当局はすでにシンガポール、韓国、オーストラリアなどの政府とFinTech Bridgeを結んでいます。インドとの提携も間近なのでしょうか。



<まとめ>
ロンドン金融街のシティ自治体が、インドとフィンテック企業の進出支援に関するパートナーシップを提携。
イギリスのフィンテック企業がインドの巨大市場にアクセスしやすくなる。
ロンドンのフィンテックエコシステムが益々発展。



関連記事「イギリス金融当局が検討中のグローバルサンドボックス -フィンテック企業の国際展開が容易に」はこちら↓
http://fintechnewslondonfintechjagi.sokuho.org/article/globalsandboxregulatoryukfcastartup.html



(参照:City of London Corporationプレスリリース「City of London and High Commission of India join forces in fintech」2018.4.13)
https://news.cityoflondon.gov.uk/city-of-london-and-high-commission-of-india-join-forces-in-fintech/

(参照:High Commission of India HP)
https://www.hcilondon.in/

(参照:Financial Conduct Authorityプレスリリース「British and Australian regulators strengthen cooperation on FinTech through Enhanced Cooperation Agreement」2018.3.22)
https://www.fca.org.uk/news/press-releases/british-and-australian-regulators-strengthen-cooperation-fintech-through-enhanced-cooperation



「なるほど!」と思った方は、「いいね!」お願いします。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


今月の人気記事ベスト20

商品紹介