イギリス金融当局が検討中のグローバルサンドボックス -フィンテック企業の国際展開が容易に

2018年3月19日、イギリス政府が先導する「FinTech Week 2018」の「Global Summit」で、同国の規制監督当局(FCA:Financial Conduct Authority)が他国政府・当局と進める「グローバルサンドボックス(Global Sandbox)」について、FCAで「Director of Strategy and Competition」を務めるChristopher Woolard氏がスピーチを行いました。

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演説に先立ち、2018年2月14日、FCAはグローバルサンドボックスについて、検討状況等につきHPに掲載しましたので、その概要をお伝えします。
<目的>
1.革新的なアイデアが市場投入するまでの期間短縮化と必要費用の低下。
2.資金調達を容易にする。第一回レギュラトリーサンドボックスでは、4割の企業がサンドボックス中、または後に資金調達を獲得。
3.実際の市場で革新的なアイデアをテストさせること。

<グローバルサンドボックスの枠組み(草案)>
現行のグローバルサンドボックスの枠組み案概要は以下の通りです。パブリックコメント、他国政府、規制監督当局との協議を踏まえ、内容がまとめられます。
・フィンテック企業は、国際展開に当たり異なる規制環境下において様々な障壁が予想されています。例として、マネーロンダリング対策、コンプライアンス対策、個人情報保護等(KYC: Know Your Customer)、送金等が想定されています。グローバルサンドボックスでは、各国規制監督当局とフィンテック企業が共同でこれらの課題解決方法の検討、解決策実行の支援を行います。
・イノベーションは、市場競争性を高める大きな要因です。グローバルサンドボックスは、成長意欲が高いフィンテック企業への支援により、競合他社よりも早く、また安い費用で、新サービスを市場投入させることが可能となります。FCAのレギュラトリーサンドボックスにおいても、このメリットを享受したケースが見られます。
・グローバルサンドボックスでは、複数国の規制監督当局が共同し、フィンテック関連イベントの開催、トレンド調査レポートの発行等を実施します。

<グローバルサンドボックス利用メリット>
フィンテック企業は、グローバルサンドボックスを利用することにより、異なる法令、規制環境下で、同時期にテストを実施することができ、国境を跨ぐビジネス開始に要する時間の短縮化と費用低下が期待できます。
また、各国規制監督当局は、双方の規制上の障壁の把握、解決策の検討を共同で実施でき、関係強化が期待できます。なお、グローバルサンドボックスは、2国間のテストのみならず、3カ国以上でのテストも可能になるとされています。

<グローバルサンドボックス検討開始の背景>
2014年のProject Innovate以降、FCAは500社超のスタートアップを支援してきました。また、2016年のレギュラトリーサンドボックス開始以降、FCAは同枠組みを通じて革新的な企業70社の支援を実施してきました。そのほか、FCAは9カ国と二国間協定を締結し、相互の市場に進出を目指すフィンテック企業の規制対応、資金調達等に係る支援を実施してきました。
国際送金サービス等、多くのフィンテック分野やフィンテック企業の事業は国際展開されていますが、FCAのレギュラトリーサンドボックスは、イギリス国内でのみテストできますが、他国の政府、規制監督当局と共同実験は現在していません。
FCAは、上記支援の中でフィンテック企業が抱える課題を聞き、国際展開に係る規制対応支援が重要との認識を持ちました。そして、次のステップに向け、他国の政府、規制監督当局との関係強化が必要であるとしてグローバルサンドボックの枠組み検討を開始しました。

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Global Summit でのChristopher Woolard氏のスピーチによれば、FCAは2014年に開始した「Project Innovate(プロジェクトイノベイト)」以降、他国の政府・規制監督当局とのコラボレーションは、FCAのフィンテック政策において中核的な役割を果たしてきました。レギュラトリーサンドボックス(Regulatory Sandbox)については、フィンテック企業が革新的なアイデアをマーケットに出すまでの時間と費用を削減する役割を果たしてきました。FCAは、フィンテック企業から、国際展開に関する相談や要求を受けることが年々増える中、対応策として国際展開を目指すフィンテック企業を支援する枠組みとしてグローバルサンドボックス導入の検討を開始しています。FCAは、グローバルサンドボックスについて、「マネーロンダリングやコンプライアンス等に係る規制対応の支援をフィンテック企業に提供できる」と、同枠組みの巨大なポテンシャルについて語られました。

グローバルサンドボックスについては、参加国以外にもその内容、効果につき非常に高い興味があることでしょう。アップデートがあれば、追記します。

(FCA HP)
https://www.fca.org.uk/

(FCA 「Global sandbox」)
https://www.fca.org.uk/firms/regulatory-sandbox/global-sandbox

(FCA「Christopher Woolard」プロフィール)
https://www.fca.org.uk/about/fca-board/christopher-woolard


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